「経費で落とす」という言葉、どこかで一度は聞いたことがあると思います。
みなさんはその意味、ちゃんと理解できていますか?
飲み会の後に、「領収書もらって経費で落とすわ~」と言われて、
「え?なにどういうこと??タダになるの??」
といまいち分かっていない方も多いと思います
そんな方のために、超~わかりやすくその意味を解説していくのでぜひこの機会に理解してしまいましょう!
記事のざっくりした内容
前提
まず「経費で落とす」という言葉の意味の説明に入る前に、前提として知っておいてもらいたい会計知識があります。
会計知識と大げさに言ってますが全然難しくありません。
それは、
収益-費用=利益
これだけです。
- 収益とは、売り上げた金額のこと。
- 費用とは、売り上げを出すために犠牲としてかかった金額のこと。
- 利益とは、収益と費用の差額。
簡単な例だと、
100万円の車を販売した!(収益100万)
でもその車を製造したり、店の家賃を払ったりで80万円かかっちゃった!(費用80万)
だから収益100万-費用80万で、最終的に手元に残る利益は20万円だ!
となるわけです。
思ったほど難しくなかったとは思いますが、この「収益-費用=利益」という概念が非常に重要になります。
「経費で落とす」の意味
「収益ー費用=利益」がなんとなく分かったら、いよいよ本題に入ります。
「経費で落とす」という時の「経費」というのは費用のことです。
つまり、「10万円の領収書を経費で落とす」と言ったら「その時払った10万円を費用として扱う」ということになるわけです。
先ほどの例で言うと、
収益100万-費用80万=利益20万
だったのが、
収益100万-費用90万=利益10万
というように費用が10万増えるわけです。
ここで注目してもらいたいのは利益です。
費用が10万増えたことで、その分利益が10万減っています。
これが重要なポイント。
税金の中には、企業や事業主の利益に対してかかるものがあります。
いわゆる法人税などです。
出た利益の何パーセントかが税金として徴収されるわけです。
仮に税率が40パーセントだとします。
収益100万-費用80万=利益20万
この場合の税金額は、利益20万×税率40%=8万円となります。
税金として後で8万円払わないといけないわけです。
では10万円を「経費として落とす」とどうなるでしょう。
さっきの費用80万に、さらに追加で10万が加わります。
収益100万-費用90万=利益10万
費用が10万増えたことで利益が10万減りました。
この時の税金額は、利益10万×税率40%=4万円となります。
なんと税金の支払い額が、8万円から4万円に安くなりました!
これが「経費で落とす」ことの意義です。
費用が増え利益が減ることで税金の支払い額が安くて済むわけです。
つまり、いろんな人がお店で領収書をもらって経費で落としたがるのは、それによって税金の支払い額を少なくできるからということです。
そして少なくなる税金額は、
経費に落とす額(領収書の額)× 税率
で計算することができます。
「領収書をもらえば全額タダになる」わけではないことがここから分かります。
仮に10万円の領収書で、税率が40%だと、10万×40%=4万 と計算できます。
税金の支払いが4万円減るということはつまり、4万円得をすることになるということ。
企業や事業主の利益にかかる実際の税率は30~40%ほどなので、領収書の金額のだいたい3~4割だけ得すると考えることができます。
これが、「経費で落とす」ことの意味です。
おわりに
巷でよく聞く「経費で落とす」という言葉の意味がある程度理解できたのではないでしょうか。
厳密に説明するともっと長くなりますが、細かいことは税理士などその道の専門家がいるので一般人が知っておく必要はありません。
あくまで一般常識の一つとしてならこの記事を理解しておけば充分です。
最後までお読みいただきありがとうございました。